産後の肌あれの原因とは?対処法やスキンケアアイテムの選び方
産後は、ホルモンバランスの乱れやストレスなどによって肌あれを起こしやすいタイミングです。
「産後に今まで使っていたスキンケアが合わなくなった」「今まで肌あれしていなかったのに、出産後気になるようになった」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、産後の肌あれの原因や対処法について解説します。産後の肌あれでお悩みの方は、ぜひご覧ください。
産後の肌あれの原因とは?
産後はホルモンバランスの急激な変化により肌のバリア機能が低下するため、外部刺激を受けやすくなります。さらに、赤ちゃんのお世話で生活スタイルが変化し、睡眠不足や食生活の乱れ、ストレスが溜まりやすくなることも、肌トラブルにつながりやすくなります。
ホルモンバランスの乱れやストレス、肌に合わないスキンケアなど、さまざまな原因がありますので、以下でくわしく解説していきます。
ホルモンバランスの乱れ
産後の肌あれは、ホルモンバランスの変化が大きな原因です。
妊娠中は女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌量が増えますが、出産を境に減少します。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は子宮内膜を厚くして赤ちゃんを育む環境を整え、妊娠を維持する働きがありますが、肌に対しては、うるおいやハリを保つ役割を担っています。
産後に急激に減少すると、ターンオーバーの乱れや皮脂分泌の増加などで角層の状態が乱れ、敏感肌になり肌あれしやすくなるのです。
急激に減少した女性ホルモンは、徐々に妊娠前の状態に戻ろうとします。しかし、その間もホルモンバランスは不安定な状態が続くため、肌あれがなかなか治りにくくなります。
睡眠不足によるターンオーバーの乱れ
睡眠は、成長ホルモン分泌や細胞分裂など、肌のターンオーバーが活発になるため、すこやかな肌を保つのに重要です。しかし、産後は赤ちゃんのお世話で夜ぐっすり眠れない日々が続きます。その結果ターンオーバーが乱れてうるおいを保ちづらくなったり、古い角層細胞が残ったままになったりしてしまい、吹き出物や乾燥などの肌トラブルの原因に繋がります。
睡眠不足により疲労やストレスがたまることも、肌あれにつながります。
▼肌のターンオーバーの重要性や整え方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェック

肌のターンオーバーとは?乱れを整えて肌をすこやかに保つ方法
生活環境の変化によるストレス
産後は赤ちゃん中心の生活となり、これまでの生活スタイルから大きく変化します。
疲労がたまり、ストレスを受けやすくなるため、自律神経が乱れやすくなったり、皮脂の分泌量が過剰になってしまうことがあります。
バリア機能が低下しているときに皮脂量が増えてしまうと、吹き出物ができやすくなります。産後、フェイスラインにニキビや吹き出物ができる場合は、ストレスによるものかもしれません。
栄養バランスの乱れた食生活
産後はまとまった自分の時間を取りにくいこともあり、すぐに食べられて満足感を得られるお菓子や脂っこいものなどを口にしがちです。
糖質・脂質・香辛料などを摂取しすぎると、皮脂分泌が活発になり、肌トラブルが起きやすくなってしまいます。過剰な皮脂は、ベタつきや吹き出物の原因となります。
糖質や脂質は体に必要な栄養素ではありますが、皮脂の過剰な分泌は毛穴が詰まりやすくなるため、食べすぎには注意が必要です。
便秘による腸内環境の悪化
睡眠不足、食事の偏りなど産後の生活の変化は便秘の原因になることがあります。便秘によって腸内に長く便が留まると、悪玉菌が増殖して有害物質を発生させます。これらの有害物質が腸壁から吸収されて、血液を通じて全身に運ばれるのです。有害物質は、体内の炎症反応を引き起こすことがあり、これが皮膚にも影響を及ぼします。皮膚のバリア機能を低下させたり、皮脂分泌を乱したりするため、結果として肌あれやニキビの原因となってしまいます。
便秘にならないように、食生活に気をつけたり、こまめに水分を摂取したりなどを心がけましょう。
肌に合わないスキンケアアイテムの使用
産後は、ホルモンバランスの乱れによって、肌のバリア機能が低下し、敏感になりがちです。以前は問題のなかったスキンケア製品でも、産後のデリケートな肌には刺激となり、肌あれを引き起こすことがあるのです。さらに、産前・産後は肌質が変わることがあり、産前に使っていたスキンケアが合わなくなることもあります。
また、肌への刺激になりやすい成分が入ったスキンケアは、産後の敏感な肌に使用すると肌あれやかゆみを引き起こすことがあるため、注意が必要です。
産後に肌あれしたときの対処法
産後は肌あれしやすい状態だからこそ、肌状態を悪化させないためにできることを行いましょう。ここでは、クレンジングや洗顔時に気を付けるポイントや紫外線対策、バランスの取れた食事を意識するなどの対処法を解説します。
ただし、症状がひどい場合や肌あれが長期にわたって続く場合は、皮膚科に相談しましょう。
クレンジングや洗顔時の摩擦を極力避ける
クレンジングや洗顔料は、肌が敏感なときにアイテム選びを誤ると、乾燥や摩擦による刺激を引き起こしてしまう恐れがあります。
拭き取りタイプやシートタイプのクレンジングは、産後の忙しいときには便利ですが、敏感に傾いた肌には、摩擦刺激になりやすいので注意が必要です。ジェルタイプやクリームタイプなどの肌と指先の間でクッションになってくれるような「膜厚感」のあるタイプのクレンジングでやさしく洗うのがおすすめです。
また、過剰に洗いすぎたりこすりすぎたりすると、肌のうるおいを保つために必要な皮脂まで洗い流してしまうため注意が必要です。洗顔料はしっかりと泡立ててやさしく洗い、32〜33℃のぬるま湯で丁寧にすすぎましょう。


しっかりと保湿して乾燥を防ぐ
化粧水だけでなく、乳液やクリームなどで油分もバランスよく与えることが大切です。
化粧水でうるおいを補給したあとクリームなど油分の多い保湿アイテムを使うなど、異なる種類のうるおいをミルフィーユ状に何層にも重ねることがポイントです。
スキンケアアイテムは使用量を守り、手のひらでつつみこむようになじませると、うるおいを肌に閉じ込めると同時に肌表面を保護することができます。
洗顔直後は肌のうるおいが逃げやすく、放っておくと乾燥を招きます。なるべく早く保湿することも大切です。
▼産後の敏感になった肌をしっかり保湿する方法については、こちらの記事をチェック

敏感肌の原因からわかる保湿の重要性|アイテムの選び方・適切なケアとは
室内でも紫外線対策をする
産後、バリア機能が低下している肌は、特に紫外線の影響を受けやすい状態です。
「産後しばらくは室内にいることが多いから、紫外線対策は不要」といった認識は、実は間違い。窓から部屋の中に入ってくる紫外線の量は意外と多いため、室内でも紫外線対策は必要です。
また、産後しばらくすると赤ちゃんを連れて散歩の習慣が増えるでしょう。外に出るときは特に気をつける必要があります。肌のバリア機能が低下している状態で紫外線を浴びてしまうと、日やけや炎症の影響を受けやすくなるためです。
日やけ止めだけでなく、UVカット機能付きのカーテンや服なども合わせて使用するとより安心です。また、日やけ止めを選ぶ際は、低刺激のものや保湿効果の高いものを選ぶのがおすすめです。
十分な睡眠をとる
十分な睡眠を取ることで成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーが整います。
しかし、産後は赤ちゃんのお世話(授乳や夜泣きなど)があるため、しっかり睡眠を取るのは難しいものですが、できる範囲で睡眠時間を確保するように心がけましょう。
睡眠不足はストレスとなり、肌への悪影響も懸念されます。少しの時間だけでもお昼寝をしたり、目を閉じたりして休息をとり、できるだけストレスをためないことも大切です。お昼寝をするときはアイマスクをして、眠れる環境をつくるのもおすすめです。
バランスのとれた食事を意識する
栄養バランスの偏りは、肌あれの原因となります。産後は慣れない育児で疲れがたまりやすく、食欲がない日もあるかもしれませんが、できる限り栄養バランスを意識することが大切です。
特に、肌あれが気になるときは、肌にいいとされる以下のような栄養素を積極的に取り入れていくとよいでしょう。
役割 | 栄養素 | 代表的な食品 |
---|---|---|
角層の保湿力を高める | 栄養素a-リノレン酸 | 代表的な食品サンマ、シソ油 |
肌のうるおいを保つ | 栄養素ヒアルロン酸 | 代表的な食品手羽、軟骨 |
肌あれを防ぐ | 栄養素ビタミンA、ビタミンE、ピオチン | 代表的な食品にんじん、レバー、緑黄色野菜、カボチャ、玉ねぎ |
肌のターンオーバーを整える | 栄養素亜鉛 | 代表的な食品貝類(牡蠣など)、小麦胚芽 |
産後の肌あれにはスキンケアアイテムの見直しも必要
産前と産後では肌質が変化することもあります。妊娠前と同じスキンケアアイテムや化粧品を使ってしまうと、産後、急に刺激を感じることも。
産後の肌はバリア機能が低下して刺激に敏感になっているため、肌にやさしい低刺激なアイテムの使用がおすすめです。子どもや赤ちゃん(新生児をのぞく)と一緒に使えるものや、妊娠中の女性にも使えると記載がある商品は、低刺激処方の場合が多いです。
産後の肌あれをサポートするスキンケアアイテムの選び方
産後に肌あれが気になる方は、スキンケア選びを慎重に行いましょう。肌に合わないスキンケアは肌あれを悪化させる原因となります。
ここでは、産後の肌あれが気になるときのスキンケアアイテムの選び方を紹介します。


肌の刺激になる成分を避ける
産後の肌は敏感になっているため、スキンケアアイテムを選ぶ際は成分表記を確認して、刺激になりやすい成分が含まれていないか見極めることが大切です。
アルコールや合成香料、着色料などの刺激になりやすい成分は、肌が敏感になっているときは肌あれの原因にもなるため、これらの成分が入っていないものを選ぶとよいでしょう。
また、妊娠前に使っていて問題なかったからという理由で選んでも、産後の肌に合わない可能性があります。可能であれば、サンプルやトライアルセットを活用して、肌に合うか確認してから使用するのがおすすめです。
肌悩みに合わせて選ぶ
産後の肌トラブルは人それぞれです。
- バリア機能の低下による肌あれ
- かゆみ
- 乾燥
- ニキビ
このような、さまざまな肌悩みが挙げられます。
肌への刺激となる成分を避けつつ、肌悩みに合わせたケアができるスキンケアアイテムを選ぶとよいでしょう。
例えば、乾燥が気になる方には、保湿力の高いヒアルロン酸やセラミド配合のアイテムがおすすめですし、ニキビが気になる方には、医薬部外品の抗炎症成分が含まれたものを選ぶと効果的です。
自身の肌状態をよく観察し、適切な成分が配合されているスキンケアを選ぶことで、産後の肌トラブルを効果的にケアできます。
産後にもおすすめ。ゆらぎやすい肌にアプローチする
ディセンシアのスキンケア
ディセンシアは、ポーラ・オルビスグループの敏感肌ブランドです。創業以来、ポーラ化成研究所と連携して研究・開発を続けています。長年培ってきた敏感肌研究に基づき、度重なる試行錯誤の末に、肌の最表層(角層)を整え、すこやかな肌へと導く独自技術を開発しました。
そのなかから、「つつむシリーズ」と「ディセンシアシリーズ」の2つのシリーズを紹介します。
うるおいで満たしながら肌を守る「つつむシリーズ」
ディセンシアの「つつむシリーズ」は、肌をいたわりながらうるおいを守るスキンケアシリーズ。
敏感肌のことを考えこだわりぬいた処方で、「敏感肌は特別な肌質ではなく、誰にでも起こりうる状態」という考え方のシリーズです。
無着色、無香料、アレルギーテスト済み※1、敏感肌の方の協力による連用テスト済み※2の商品で、敏感肌のことを考えた処方設計を徹底しています。
また、 健やかな角層を擬似的に再現する独自技術「ヴァイタサイクルヴェール®」搭載のクリームは、肌をうるおいで満たし、バリア機能をサポートします。クリーム2品については、小児による連用テスト済み※3となっていて、クリーム使用後の肌に、赤ちゃんが触れることもできます。
※1 アレルギーテスト済み(全ての方にアレルギーが起こらないというわけではありません)
※2 敏感肌の方の協力による連用テスト済み(全ての方の肌に合うというわけではありません)(ジェントルウォッシュ以外で実施)
※3 小児による連用テスト済み(全ての方の肌に合うというわけではありません)(フェイスクリーム/フェイスクリーム R1で実施)
エイジングケア※も気になるなら「ディセンシアシリーズ」
大人の肌悩みも気になる方におすすめなのが、敏感肌に対応しながらエイジングケア※もできる「ディセンシアシリーズ」です。
産後はさまざまな要因でバリア機能が低下し、角層が乱れている状態です。だからこそ、適切なスキンケアで角層を整えることが大切。
「ディセンシアシリーズ」は、エイジング悩みの解決のために「角層を整える」という美容理論を軸に開発されました。大人ならではの敏感な肌の角層を整え、ゆらぎに負けないすこやかな肌に導く角層起点のエイジングケア※シリーズです。
産後、敏感状態に加えて、シミ・シワ・ハリ不足などのエイジングサインも気になる方におすすめです。
※年齢に応じたケア
産後の肌あれに関するよくある質問
ここでは、産後の肌あれに関するよくある質問とその答えを解説します。産後の肌あれでお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
産後の肌あれはいつまで続きますか?
産後の肌あれは一時的なものであり、ホルモンバランスが産前の状態に戻るにつれて肌状態も落ち着いてくると思われます。肌あれが続く時期には個人差がありますが、半年~1年ほどで落ち着く方が多い傾向です。
もし長期間にわたり肌あれがつづく場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。
産後で肌が荒れているときにスキンケアで気をつけることは何ですか?
産後のスキンケアでは、以下の3点に気をつけましょう。
- クレンジングや洗顔時の摩擦を極力避ける
- 洗顔後はなるべく早く保湿する
- 室内でも紫外線対策をする
特にクレンジングや洗顔時の摩擦は、敏感な肌には刺激になりやすいもの。クッション性のあるジェルタイプやクリームタイプのクレンジングを使用したり、洗顔料を泡立てて手のひらでやさしく洗うなどの工夫が必要です。産後の肌は特にデリケートなので、これらのポイントを守ることを心がけましょう。
産後、肌あれしているときにメークをしてもいいですか?
産後で肌あれしているときのメークは、必ずしもNGではありません。
特にベースメークは、UVカット効果のある商品を選べば紫外線などの外部刺激から肌を守ることができるため、メークがプラスになることもあります。
メークをする場合は、刺激になりやすい成分が含まれていないメーク用品を選んだり、スポンジやパフなどの摩擦を避けることを意識しましょう。
ただし、メークが刺激になり赤みやひりつきを感じる場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
普段から使っていたスキンケアが産後合わなくなったのはなぜですか?
産後にスキンケアが合わなくなるのは、ホルモンバランスが変化して肌のバリア機能が低下しているためと考えられます。
バリア機能の低下により、刺激を感じやすくなるため、以前は問題のなかったスキンケアアイテムが合わなくなったと感じることがあります。
産後の肌あれは一時的なものであることが多いのですが、刺激が少ないスキンケアを選ぶことで肌の負担を減らすことができます。
また、定期的に自身の肌状態をチェックして、必要に応じてスキンケアアイテムを見直すことも重要です。
- HOME
- 産後の肌あれの原因とは?対処法…