暑さはいまだ、警報レベル。いかがお過ごしでしょうか?今日のテーマは、「夏だからこそ、うるおい」。前号の引き続き、スキンケアの基本中の基本を掘り下げます。
夏は汗や皮脂も多めで、あまり乾燥を感じづらいかもしれませんが、もしかしたら今、感じている“うるおい感”はフェイクかもしれない…というちょっと怖いお話。夏に増える“フェイクうるおい”の勘違いに気をつけてください!
ベタベタしがちなシーズン。肌はツヤツヤというよりテカテカ、ギトギト(焦)。この状態を鏡で見て「うるおっている」と勘違いされる方も多いようです。が、私たちの視覚、かなり騙されやすいことをご存じでしょうか?
下図は「錯視(さくし)」という研究分野でよく見かける例でメークやファッションなどでも活用されています。どちらも、同じ長さのライン、同じ大きさの円が赤ラインで描かれていますが、ちょっとした周辺情報の違いで、違う長さ、違う大きさに見えています。
視覚で捉えたことのすべてが真実ではない。これは肌状態にも当てはまります。見た目はもちろん、触れたときの実感なども合わせてベタベタしているように感じていても、実は肌の内側がカラカラに乾いているという状態が夏に特に起こりがちです。
その要因は、暑いために屋外に出る機会が減り、運動不足になったりいわゆるエアコン乾燥が進んでしまって血行が悪くなり、自律神経も乱れてしまうことが挙げられますが、一番の要因は「肌がうるおっているという勘違いからケアを間違えてしまうこと」かもしれません。
「夏だからこそ、うるおい」を徹底するためのコツを知って、ぜひ今日から保湿ケアをバージョンアップしませんか?
水分補給は、喉が渇いてからでは遅すぎ。喉が渇く前にちょこちょこと水分補給をということは熱中症予防の話題の際などでもよく耳にします。これは、肌も同じ。乾きすぎてしまう前にちょこちょこ保水を心がけましょう。
おすすめのちょこちょこ保水法は、メーク中にも取り入れられる化粧水を使ったハンドラップ保水。少量の化粧水を手のひらにとり全体にのばしてから、頬や口もと、首もと、胸もとなどに軽く手のひらでラップするかのように肌にうるおいを届けましょう。化粧水をやさしく置くように行うのがおすすめです。化粧直しのタイミングであれば、特に丁寧に肌になじませてから改めてベースメークを整えるのがコツ。朝のきれいな仕上がりの再現が手軽にできるので、ぜひ試してみてください。
パソコン前やキッチンなど、日頃長い時間を過ごす空間の目につくところに化粧水をプラス1本常備して、オンライン会議の合間やお料理を煮込む間などにハンドラップ保水をする習慣をつけて、夏の渇きを予防しましょう。
夜も暑さが続く季節。エアコンをつけたままを眠る方も多いと思います。
寝起きに汗ばんでいる肌を見ると、なかなか乾燥には気づけないのですが、エアコン乾燥の影響で睡眠中もうるおいは奪われつづけています。
だからこそ、寝る直前の「追いクリーム」を、ぜひ。翌朝の目覚ましアラームをかけたら、目もとや口もとを中心にナイトマスクのように追いクリームをのばすことを夜のルーティンにしてみては? 翌朝のメークのりなどの違いにも注目です!
いちいち洗面所までいくのは面倒なので、ベッド脇にもクリームを置いておく、というディセンシアメンバーも多いのでぜひご参考にしてください。
3つ目のヒントは、当たり前ではありますがやはり、からだの内側からの水分補給も充分に行うことが重要です。もしも暑い季節にトイレの回数や尿の量が減っていると感じたら、からだからの渇きサインかもしれません。ぜひ始めていただきたいのが、ちょこちょこと水分補給をするタイミングで、「美肌のためにもう一口」とイメージしながら、最後にごくりとプラス一口を飲む習慣をつけること。この「毎回のプラス一口」は、実は大きな差につながります。
人間のからだは、子どもで約70%、大人で約60%が水分でできています。自分の体内を良質なうるおいで満たしつづけること、乾かさないことは、美しさにも健やかさにもつながっていきます。
肌内部が乾燥していると、肌がうるおいを守ろうとして皮脂量が増えてしまうこともあります。肌のベタベタを感じた時、内側は逆にカラカラかも、と常に自身が感じる“うるおい感”に疑いを持ってみてください。
暑さが過ぎた頃、夏のいい思い出だけを記憶に残し肌にはその影響を残さないためにも、フェイクうるおいに紛らわされずに、保湿を強化していきましょう。
Vol.02 2024年 盛夏