1月30日(木)に発売の「ディセンシー ブライトリフト クリーム」。 これまでも多くの方に愛されてきた「ディセンシー
クリーム」が今回のリニューアルで成分や処方を大きくアップデートしました。
そこに至るまでにはどんな発見や苦労があったのでしょうか。研究を担当したポーラ化成工業TDC(テクニカルディベロップメントセンター)副主任研究員の林真理子と、商品開発を担ったディセンシア商品企画の星真理子の「ダブル真理子チーム」が、誕生までの熱い道のりを語ります。
星真理子(以下・星) : ようやくこのクリームが完成して、今、ちょっとホッとしています。今回の開発のスタートの頃には、とにかくお客さまの肌や思いを徹底的に確認していました。そこでわかってきたのが、特に敏感肌だと年齢を重ねた時により早く乾燥や肌荒れなどのエイジングサインが表に現れる傾向があるということでした。それと同時に、敏感肌の方は “肌の刺激にならないスキンケアを”といった守りの姿勢も強いので、肌に負担なく、速やかに肌体感を得られるエイジングケア機能の実現が欠かせないと思ったんです。
林真理子研究員(以下・林) :
シミやくすみ、シワやたるみ、乾燥やゆらぎなど、ある時に誰もが感じてしまう「肌の急老け」をケアする、それも、肌に優しく。この両立はなかなか難しい挑戦でした。
研究の側面では、このクリームの開発研究の中で肌表面の「粗さ」や「くすみ」があると、たるみ印象につながることもわかりました。
星 : 実はリニューアル前の製品も評判が良くて、あんまり変えないでほしいという声も届いていたんです。とはいえリニューアルを担当するからには、これまでの商品にはない新鮮な機能や使用感に仕上げたい。だからこそ、これまで以上に効果的に肌の急老けに応えること、肌に優しいことは絶対条件でした。
星 :
そこでまずこだわったのが、クリームの機能性の基礎となり、使い心地の感触まで左右する処方です。新製品では、さらなる高機能を求めて、現行品ではエッセンスに搭載されていたバスケットウィーブ®処方をクリームにも搭載することを目指しました。
この処方の搭載と、お客さまに愛されているこれまでの使い心地のよさをいかすためには、リニューアル前のディセンシー
クリームと同じO/W/O処方の採用が不可欠でした。O/W/O処方とは、Oil in Water in Oilの略で、水分Waterを油分Oilでサンドイッチのように挟み込む特殊な処方です。
林 :
当初は“ちょっと難しいと思います”とお断りして。これまでにたくさんのコスメを開発してきましたが、バスケットウィーブ®処方とO/W/O処方を両立させクリームを作るという経験はありませんでした。まったく実績がない処方の掛け合わせの中で、安定性の高い製品が作れるかどうか、確証がなかったのです。
さらにディセンシアのアイテムは敏感肌を考慮した設計が必須となるので、防腐剤をはじめ、使わないと決めている成分がたくさんあります。その中でこの2つの処方の両立を叶えるためには、安定性の調査と実証をさまざまな方法でたくさん繰り返す必要があり、限られた期間でそれを叶えるのはかなりハードルが高いと思ったことを覚えています。
星 : それを私がなんとかやり遂げたい、と無理強いして(笑)。最終的に、透明感美白※1ケア、たるみ印象ケア※2、高保湿肌荒れケアを1品で叶えるという高機能性と、高濃密で手にとった時はリッチなのに、肌にのばすとするするとくずれて、じゅわっととろけ、気持ちよく浸透していく感触が両立できたのです。さらにパッと肌にやわらかさと輝きがプラスされてピンとストレッチフィットする。そんな感動的なクリームができました。
※1 メラニンの蓄積を抑え、シミ・そばかすを防ぐこと
※2 ハリを保つことによる
林 :
まずは皆さまに手にとっていただいて、クリームの感触の変化をぜひ体感していただきたいですね。手にとって肌にのばしなじむまでを、初期・中期・後期に分け、その変化をイメージのラインで描きながら話し合ってきました。硬めのクリームがやわらかくなる過程が、なだらかに変化するのではなくてギュインッと一気に変わる感じにしたいという目標をもっていましたが、まさにそんな劇的な変化を感じていただけるのではないでしょうか?
仕上がりの肌では、透明感、ハリ感、高保湿感のすべてを感じていただけるはずです。
星 : とにかく圧倒的なクリームを作りたかったんです。振り返ると成分、処方、感触、どこをとっても盛りだくさんなクリームになりました。まさに全方位のブライトリフトケアです。
林 : 初めから星さんの中には最終的な使用感や仕上がり肌の明確なイメージがありましたよね。そのイメージの再現に向け何度も話し合い、研究所で頻繁に一緒にサンプルを試しながら製品づくりにこだわりました。今振り返ってみると、とにかくたくさんの試作クリームを作ったな…と思います(笑)。
星 : ところで最初は難航していたのに、あるとき急に、ぐっと理想に近づいていった瞬間がありましたね。あのときはとても手応えを感じて、いける!!と思ったことを覚えています。
林 :
初めはとにかく攻めた処方への挑戦に集中していたんです。ある程度確信を得て、それから一気に、感触も含めたバランスの調整に取り組んで、完成に近づきました。
今回は立体角層(うるおいに満ちてふっくらとした角層)へと導く「バスケットウィーブ®処方」と、美しく健やかな肌へ導く疑似角層を再現する「ヴァイタサイクルヴェール®」も採用しています。成分、処方、感触のすべてで、さまざまな異なる技術を採用。それらをきちんとバランスよく両立させるために、正直気が遠くなるほどの試作検討の繰り返しでした。複合的な要因で引き起こされるエイジングトライアングル※の1つひとつに向き合って徹底した研究開発を重ねてきました。その甲斐あって、この1品のクリームで結果を出すための、まさに隙のない設計ができました。
※ シミ・そばかす、ハリ不足、超乾燥・肌荒れなど
星 : もうこれを超えるクリームを作るのは相当難しい。次のリニューアルは、私は担当したくないです(笑)。
林 : 私も担当したくないです(笑)。処方というのはどこかをよくするとどこかが不安になる、バランス勝負のところがあるので、クリームとしてここまでの完成形を作り出せたことにホッとしています。
星 : 感触も人によって感じ方が異なりますから、すっと浸透するのを心地よく感じる人もいれば物足りなく感じる人もいる。逆も然りですから、ゴールはありませんね。まだまだ挑戦しがいがあります。
林 : 私も以前はクリームもみずみずしい感触を好んでいましたが、年齢を重ねてくると、コクのあるクリームに守られている安心感を感じるようになりました。
星 : 今は、一人でも多くの方がこのクリームの感触や仕上がり肌を気に入ってくれたらと思っています。
林真理子
横浜生まれ、横浜育ち。大学では化粧品好きが高じて界面科学を研究し、卒業後2009年入社。商品開発や基礎研究などに携わったのち製品開発部門に戻り、ディセンシーのクリーム開発を行った。スキンケアの開発経験が多く、特に感触の設計にこだわりが。プライベートでは5歳の男の子のママで、日やけ止めで防御しつつ日々公園をかけまわっている。
星真理子
大学時代にメークスクールに通い、卒業後は化粧品メーカーに就職。スキンケアからメークアイテムまで商品企画のプロとして3社で経験を積んだのち、2021年ディセンシアに入社、商品企画に携わる。プライベートでは旅行が趣味で、先日も同僚と視察と称して韓国ビューティ旅に行ったばかり。暇さえあればマイルと睨めっこし、旅の妄想をしている。
ディセンシー ブライトリフト クリーム
医薬部外品 <敏感肌用美白※2クリーム> 30g
※1 シミ・そばかす、ハリ不足、超乾燥・肌荒れなど
※2 メラニンの蓄積を抑え、シミ・そばかすを防ぐこと
※3 ハリを保つことによる
Text:Yoshino Yurico
Photo:Yosuke Morimoto
Vol.05
2025年 初春