年末年始、仕事もプライベートも忙しく過ごす方が多いでしょう。こんな時期は睡眠時間が短くなったり、眠りが浅くなることも少なくありません。けれど元気に美しく年末年始を乗り切るためにも、この時期の「熟睡」は何より大切。美と健康のカギとなる睡眠法を睡眠コンサルタントの友野なお先生に伺いました。
「美しさのために睡眠は欠かせない、そのことは昔から何度も耳にします。でも実際にはいつどのくらい眠ればいいの? どんなふうに眠ればいいの?
まずはその基本から伺います。
「美しさは心身の健康があった上で初めて成り立つもの。良い眠りがとれている人は魅力的で知的に見えますし、日中のQOL(Quality of
Life:生活の質)にも影響します。この“よい睡眠”は、睡眠の質と量の掛け算で決まり、どちらかだけでは成立しません。人によりますが、睡眠の“適量”はアメリカの国立睡眠財団の調査によれば7〜9時間。ショートスリーパーとされる人も全人口の0.5%弱はいるので個人差はありますが、まずは7時間の確保を心がけたいですね。そしてどんなに多忙でも5時間の睡眠はキープを!
それ以下になると病気のリスクと背中合わせだということを覚えておきましょう」
「そして、睡眠の“質”は、以下のセルフチェックで確認できます。
下にあげたような兆候が一つでも見られたら、睡眠の質が低い可能性があります。最近はリモートワークが増え、活動量が低下することによる運動不足や、雑談などのコミュニケーションの減少による疲労不足なども、睡眠の質の低下の要因になっています」
では、熟睡のためにどのようなことを心がければよいですか?
「まずは日中の過ごし方から。ポイントは光をしっかり浴びることと、身体がしっかり疲れること。朝、公園を散歩するなどができれば素敵ですが、そこまでできなくても、目覚めたらまずカーテンを開け、15秒間空を見上げましょう。これだけでも網膜視床下部から体内時計リセットの司令が送られ、日中の眠気の予防につながります。また在宅ワークの方でも気分転換に散歩をするとか、トイレに立ったついでにストレッチをする、家事のついでに運動を取り入れるなどして身体を動かしましょう」
「帰宅後の夜の時間、入浴は、寝る1時間〜1時間半前までに、40℃程度のぬるめのお湯に浸かります。40℃以上の熱いお湯は心拍や血圧を高めてしまうので、熱いお湯の場合は寝る2時間以上前に済ませましょう。また運動は実は夜がおすすめ。熟睡という観点から見ると、前夜寝た時間の19時間後が運動のゴールデンタイムなので、22時に寝たなら17時、24時に寝たなら19時がベストです。逆に21時以降はランニングや筋トレなど、心拍数を上げたり汗をかく運動は睡眠の妨げになるのでおすすめしません。ストレッチなどゆるやかな運動にとどめましょう」
そしていよいよ眠りの時間。スムーズに入眠し、しっかり熟睡できる、簡単な運動も教えてもらいました。
「アメリカのメンタルクリニック発祥の筋弛緩運動をご紹介します。椅子に座って行うものですが、ベッドで横になって行っても大丈夫です。まず全身の筋肉をぎゅーっと緊張させます。顔も梅干しのように真ん中にくちゃくちゃに寄せ、手をグーに握り脇を締め、足もつま先までピンと緊張させます。この状態を5秒キープしたあと、全身のすべての筋肉をだらーっと脱力させて5秒。この10秒を1セットとして、3〜5回、繰り返しましょう」この数セットで、ストンと眠れる人も多いのだとか!
「それでも寝つけない夜もあるでしょう。かつては、眠くならなくても横になって身体を休めることが推奨されていましたが、今ではそれは良くないとされています。というのも、布団の中でつい悶々と考えごとをしてしまうものですが、大脳は疲れていて判断力が鈍り、感情のコントロールもうまくできず、誤った選択をしたりネガティブな思考に陥ってしまうことがあるのです。
また眠れない時間を悩みながら過ごすことで、寝ること自体に不安感が刷り込まれてしまう方もいます。なので“眠くならないなら無理に寝なくてもいい”と気軽に捉えましょう」
眠れなかったら、寝室から離れ、リラックスして過ごすほうが良い結果を招くこともあります。その際、光の刺激を受けないこと、時計を見ないこと、単調な作業をすることがポイント。特にテレビやスマホ、PCなどのブルーライトの刺激を避け、編み物や塗り絵、ネイルを塗る、洗濯物を畳むなど、単純な作業をして過ごすのがおすすめです」
「読書もおすすめで、イギリスの調査によると、6分間の読書はどんな行為よりもリラックス効果が高い、という結果もでています。ただし、難しい内容や暗いストーリーは避けましょう。ビジネス書なら、過去に読んでいて内容を知っているものを読み返す程度に。小学校低学年向けの児童書などは、現実離れしていてハッピーエンドのお話が多いので、入眠読書におすすめです。こうして過ごしながら自然に睡魔がくるのをのんびり待ちましょう。翌朝が早い日こそ不眠になりがちなので、“あと◯時間で起きる時間なのに…”と焦るかもしれませんが、1日くらい寝なくても大丈夫、とゆったり構えるのがおすすめです」
年末年始、仕事やお子さんの学校がお休みの時期は、睡眠をリセットするひとつのチャンスです。
「この時期は夜更かしの傾向もあるかもしれませんが、睡眠時間制限法と言って、何時に寝たかに関係なく、起きる時刻を一定にするという方法があります。これにより、夜自然に眠くなるリズムが作られていき、食欲のリズムや嗜好も整って、むやみにジャンクフードを欲したりすることもなくなり、お正月太りも回避できるはずです」
とはいえ忙しいこの季節、そんなにいろんなことができる気がしない…と感じた方に、友野先生から素敵なアドバイスが!
「睡眠改善は、実は“ふまじめに取り組む”のがいちばん大事。性格やライフスタイルに合わせて無理せず継続していくことこそ改善の近道です。入浴でも食事でもストレッチでもいいから何か一つ取り入れてまずは2週間続けてみる。それが習慣になったら次のアクション…とベビーステップで楽しみながら取り組みましょう。運動をする時間がないなら、エレベータを使わず階段を使ったり、家事や育児をしながらかかと上げやスクワットなどを取り入れるのでもOKです。入浴も全身浴が難しければ、シャワーのあと足首を、靴下の上からドライヤーで1分ほど温めるだけでも効果があります」
できることから少しずつ…この言葉を支えに、心も肌も美しく過ごす2025年に向けて、素敵な熟睡ライフを手に入れましょう!
友野なお(とものなお)
睡眠コンサルタント。千葉大学大学院医学薬学府先進予防医学博士課程、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修士。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。2児の母。
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Text:YURICO YOSHINO
Illustration:Killdisco
Vol.04
2024年 真冬