美容家 大野真理子さん × ディセンシア代表 西野
スペシャル対談
ゆらぎに直面する40代・50代。新たなトラブルと向き合うことになる一方でそれまで積み上げた経験が生きてくる世代。そんな世代を今まさに生き抜いている美容家の大野真理子さんとディセンシア代表の西野。偶然にも同年齢の2人が、年齢を重ねることによる肌との向き合い方、そして、これから先の未来について、スペシャル対談。
美容家 大野真理子さん
1979年生まれ、2児の母。アパレルメーカーなどを経営する実業家でありながら、美容家としても活躍。
InstagramやYouTubeでは豊富な美容知識を発信しているほか、人生相談も寄せられ、日々多くの女性に寄り添っている。
ディセンシア代表 西野英美
「将来は化粧品のことを仕事にしたい」という若い頃からの一途な想いを叶え、大学卒業後、化粧品業界へ。商品企画やコミュニケーション開発など多くの役割を経験し、2025年1月よりディセンシア代表に着任。
—早速ですが、おふたりが年齢を重ねる中で感じる、肌や体、心のゆらぎを感じたエピソードがあったら教えてください。
大野:私は、20代前半から半ばくらいのがむしゃらに仕事をしていた時期と、出産を経験した後が私の人生の“二大ゆらぎ”です。仕事がすごく忙しかったときはあごまわりにニキビがプツプツできてしまって。二人目を出産した35歳くらいの頃は赤みやかゆみが出たりして、化粧品を受け付けられない肌になってしまいました。
仕事の忙しさが徐々に落ち着いていったことや、産後は時間の経過とともにホルモンバランスが整って、少しずつ良くなっていったような気がします。西野さんは肌がゆらいだ経験はありますか?
西野:ライフステージの大きな変化って、大きなゆらぎに繋がりますよね。私自身は、ライフステージの変化に伴う大きなゆらぎの経験はないのですが、年齢による変化を感じて気持ちがつまずくことが増えてきて。例えば、仕事で帰りが遅くなった日や会食でお酒を飲んだ翌朝、鏡の中の自分と向き合ったときに驚くこともよくあるんです。何年か前までは、一晩寝るだけで肌のコンディションがリセットできていたのに、そうもいかなくなってしまいました。
大野:たしかに、リカバリー力は変わりますよね。
西野:大野さんのように人前に立つお仕事をされている方は、急な肌トラブルも注意しないといけないですよね。どう向き合っているのか気になります。
大野:私はもともと赤みが出やすい肌質なこともあって、美容家のお仕事をさせていただくようになってから、穏やかな設計のスキンケアを選ぶ機会が増えました。攻めるケアより、ベースの肌体力をつけてゆらぎにくい肌を目指すイメージです。
西野:まったく同感です。風邪をひかないように基礎体力を作るのと同じで、肌もゆらがないように健やかに育てることがとても大事ですよね。年齢を重ねるごとに、その意識が強くなっている気がします。
西野:大野さんが、肌がゆらいだ時に大切にしていることはなんですか?
大野:肌がゆらぐときは大体、ピーリング系を取り入れすぎていることが多い気がして。角層を厚くすることを心がけて、とにかく保湿してじっとするようにします。もうメイクもしないでひたすら「育って、育って」って祈りながら。守り:攻め=10:0くらいのイメージです。体と肌は繋がっているので、食事も大根おろしをいっぱい食べて胃腸に負担がかからないように気を配ります。気分は寺ごもりです(笑)。
西野:ここで、自然と大根おろしの知識が出てくるところがすごいです。常日頃から大野さんがインナーケアの視点からも肌と向き合われていることを改めて感じました。かくいう私も、肌がゆらいだときは大野さんの考え方に近しくて。仕事や家事で「あれもこれも」って色々言われたら大変なのと同じように、ゆらぎを抱えている中でミッションを与えられたら、肌もきっと困っちゃうはず。トラブルが起きるとすぐに薬を塗ったり、美容皮膚科に行きたくなったりする気持ちをグッと堪えて、最低限のホームケアに徹するようにしています。そうすることで、原因を特定しやすくなりますし、「きっと今、私の肌は一生懸命良くなろうと頑張ってる」って思うことで必要以上にネガティブになりすぎないようにしています。
大野:年齢的にターンオーバーが滞りがちになるので、最新の美容成分を取り入れたいときもあるけれど、取り入れ過ぎると一気にゆらいでしまう。なので、常に肌を観察して使うアイテムを足し引きするようにしています。
西野:体調も肌も、トライ&エラーを繰り返してきたからこそ、その経験値で予防もできるし、コンディションを安定させるための策を投じることができる。それが私たち世代の強みなのかもしれませんね。
西野:50代がもうすぐそこまで迫っている中で、元々意識していた体調管理にも、より一層力を入れるようになって。健康診断は苦手な方も多いと思いますが、私は少しでも違和感があるときは、新しい検査を取り入れるなどしてとにかく向き合います。
以前、婦人科系の手術を受けるか悩んだことがあったんです。それが、ちょうど責任あるポジションを任されたタイミングで、仕事への影響を考えると休むことが惜しくて。でも、この経験が、いつか同じような悩みを抱える人の背中を押すことにつながるかもしれない。そう思って、休みを取る決断をしました。経験を重ねた方が周りの人に実感を込めてアドバイスできるようになりますよね。
大野:逃げないって、すごく勇気のいることですよね。
西野:はい。あのとき逃げずに立ち向かえたからこそ、それも経験という糧にできたと思います。大野さんは、これまで、メンタルの面でゆらいだ時期はありましたか?
大野:今振り返ると、30代は自分を人と比べてしまいがちだったと思います。結婚する、しない。出産する、しない。ライフステージが変わる時期だからこそ、周りが正解に見えてしまうんですよね。それができない自分を責める、みたいなことが結構ありました。
西野:私もです。同世代が昇進したり転職したりするのを目の当たりにして、羨ましくなったり。自分の仕事がうまくいかないときに、環境を変えれば何か変わるんじゃないかと思ったこともありましたし。
大野:でも、そういうモヤモヤって40代になると途端に晴れますよね。結婚しているかどうかも誰も聞いてこなくなって、誰かありきではなく、個として「ところで、あなたは誰ですか?」と問われるフェーズに変わる。
西野:よく分かります。結果、自分と誰かを比べても何も生まれないことに気づくんですよね。同時に、「自分に何ができるのか」と向き合うようになる。いい意味で自然と周りが見えなくなっていくのが40代以降ですよね。
大野:自分なりの目標に向かって歩いていると、それに関係ないヤジは方向違いな気がして刺さらなくなりますよね。時々、大ダメージを受けることもありますが、そういうときは一度、肌がゆらいだときと同じように“寺ごもり”します。これに関しては、自分の中で静かに解決する方がいいタイプなのか、人に聞いてもらって発散できるタイプなのかによると思いますけど。
西野:私は、心が弱ったときは大好きなお酒でリフレッシュ(笑)
大野:本当に最高(笑)。自分に合うリフレッシュ方法を把握することって、肌にも心にも必要ですよね。
―50代に向けて、大切にしたいことや、取り入れていきたいセルフケアはありますか?
大野:皮膚に関してはやはり安定感を大切にしていきたいと思います。スキンケアは毎日こまめに自分の肌を観察して、必要なものを足し引きしながら日々お手入れをカスタムしていくのがいいのかなって。それに加えて、若い頃以上に気をつけたいのが食生活。外側からだけではなく、体の内側からも肌にアプローチをかけることの重要さを、年齢を重ねるたびにひしひしと感じています。美容家として撮影をお受けするにあたって、なるべくコンディションがいい状態でカメラの前に立てる方が、現場もスムーズに進むと思いますし。
西野:そうなんですね。食生活はどのように変えられたんですか?
大野:少し前から、自宅で食事するときは、カフェイン、グルテン、乳製品を抜くようにしています。これに関しては個人差があるとは思うのですが、私の場合、この3つを控えるようにしたら胃腸の調子が安定するようになったんです。といってもそこまでストイックではなくて、家族や友人と外食をするときにはなんでも楽しく食べています。外食の回数も無理のない範囲で絞るようにしたら、肌と体調はもちろん、生活全体がゆらがなくなってきたような気がします。
西野:素晴らしいです。今のお話ちょっと耳が痛くて。というのも私、食生活はかなり不摂生なんです……。
大野:健康に気を配られているのに意外です。逆に気になります(笑)。
西野:食事はやはり、お酒と一緒に楽しむ時間に魅力を感じますね(笑)。
大野:やっぱりそこですね!でも、西野さんにとってお酒を飲むことは心の栄養補給なんだと思います。
西野:はい。これも若い頃のさまざまな経験を経て、今日はお酒を飲む、今日は早く寝る、今日は家で過ごす……というように、スケジュールや体調に合わせて、内容をコントロールできるようになりました。
大野:今日、こうして対談させていただいて改めて、大人になればなるほど楽しいことが増えると確信しました。若い頃の方が不安も多かったし、やらなければいけないことも多かった。でも今は、何もかも楽しみながらできるようになって。そんな風に考えたら、これから先の未来は輝かしいですよね。
西野:本当に、いろんな経験値のおかげで、年齢を重ねるほどに最強になっていきますよね(笑)。若い頃は誰もがみんな必死ですし、周りと比べてしまうことも多い。でも年齢を重ねるにつれて、自分にとって本当に大切なものが見えてきます。
大野:どんどん生きやすくなりますよね。年齢を重ねることは、決して失うことばかりじゃない。むしろ経験や選択肢が増えて、どんどん自由になっていくことだと改めて感じました。
西野:経験値や知識を基にして、人生を豊かにできる術を味方に、これから先の人生を歩んでいけると思ったら、私たちの未来は本当に明るいですよね。今日の対談を経て、改めてそのことに気づくことができました。本当にありがとうございました。