肌のターンオーバーとは?乱れを整えて肌をすこやかに保つ方法
肌のターンオーバーとは、決まった周期で肌が生まれ変わるサイクルのことです。ターンオーバーを適正に保つことは、すこやかな肌づくりにとても重要なポイントです。
しかし、さまざまな原因により乱れが生じることも。そうしてターンオーバーが乱れると、乾燥やさまざまな肌トラブルが起こりやすくなってしまいます。
そこでこの記事では、ターンオーバーの仕組みや乱れる原因、ターンオーバーを整えるためにできることなどを解説。すこやかな肌を手に入れたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
肌のターンオーバーとは
私たちの肌は、一定のサイクルで生まれ変わりを繰り返していることをご存知でしょうか。こうして肌が生まれ変わるサイクルのことを「ターンオーバー」といいます。
表皮の最下層でつくられた新しい細胞が、内側から外側へと押し上げられ、最終的に皮膚の表面に到達し角層となります。
角層細胞は肌表面のうるおいを保ち、外部刺激から守る役割を果たし、古くなると剥がれ落ちます。この一連の、表皮の生まれ変わるサイクルを、ターンオーバーと呼びます。
肌のターンオーバーの仕組み
ターンオーバーの仕組みについて、より詳しく解説していきましょう。
肌は表皮・真皮・皮下組織と3つの層に分かれています。そのうちターンオーバーが行われるのは「表皮」の部分。表皮は肌の一番外側にあり、刺激や異物から体を守る役割を果たしています。
表皮はさらに外側から角層(かくそう)・顆粒層(かりゅうそう)・有棘層(ゆうきょくそう)・基底層(きていそう)と4つの層に分かれています。
表皮の最も内側にある基底層で肌の細胞が生成され、少しずつ外側に押し上げられながら性質を変え、最終的には垢となって剥がれ落ちます。


ターンオーバーの周期の目安は約28日
表皮細胞が基底層で生まれ、約14日間かけて細胞間脂質などをつくりながら成長。角層として約14日間肌表面にとどまり働いたあと、垢となって剥がれ落ちます。このように、約28日間かけて肌の生まれ変わりが行われるのです。
ただし、ひとたび生活習慣の乱れやストレスなどの内的要因、紫外線や乾燥などの外的要因で肌状態が乱れると、肌はダメージを修復しようと、ターンオーバーのサイクルが早まることがあります。
また、ターンオーバーの周期は一般的に年齢を重ねるごとに遅くなるといわれています。
ターンオーバーのスピードは部位によっても異なる
ターンオーバーのスピードは、部位によっても異なるものです。
たとえば同じ人でも、かかと・二の腕・顔ではそれぞれのターンオーバーのスピードは異なります。
かかとは乾燥しやすいことに加え、体重がかかり刺激を受けやすいパーツであることから、他の部位に比べるとターンオーバーは遅め。古い角層細胞がうまくはがれおちないと、分厚くなりやすい・ゴワつきやすいパーツでもあります。
二の腕の内側は、洋服で隠れていることが多いため外界の刺激を受けにくく、理想的なターンオーバーのサイクルを保ちやすい部位です。顔やかかとに比べると、透明感がありうるおってつるつるの状態の方も多いのではないでしょうか。
顔は、かかとや二の腕に比べて、ターンオーバーのスピードが早い部分。常に露出していることから、外気の乾燥や紫外線の影響を受けやすく、メークなどで刺激を受けることがあるため、ターンオーバーが乱れやすいといえます。
ターンオーバーは適正なスピードを保つことが大切
ターンオーバーは早すぎても遅すぎてもよくないもの。適正なスピードで成熟した角層細胞を育むことが大切なのです。
なぜ、ターンオーバーのサイクルが適正に保たれないといけないのでしょうか。
それは、ターンオーバーのスピードが適正だと、基底層で生まれた細胞が成熟し、肌に必要なうるおい(細胞間脂質・代表的なものに、セラミドやNMFと呼ばれるものがあります)が十分につくられるため、うるおいに満ちて外部刺激を受けにくい、良い角層の状態を保つことができるためです。
一方、ターンオーバーが乱れると、古くなった角層細胞がはがれ落ちずいつまでも肌表面に残ったり、細胞が未熟な状態のまま角層へと上がってきたりするため、角層の細胞の間を埋めている細胞間脂質などのうるおいがつくられにくくなってしまうのです。
健やかな角層は隙間なく規則正しく並んでいるのに対し、ターンオーバーが乱れた角層は、隙間が多く並びや厚みにもばらつきがあることがわかります。
このようにターンオーバーが乱れた角層は、うるおいを保ちにくく、外部刺激を受けやすい状態になってしまうのです。
ターンオーバーが乱れるとどうなる?
ターンオーバーは早すぎても遅すぎても肌トラブルの原因に。では、ターンオーバーが乱れると肌はどのような状態になるのでしょうか。起こりやすいトラブルについて詳しく解説します。
透明感がなくなりくすみがちになる
ターンオーバーが遅いと、古い角層細胞が肌表面に蓄積。角層の一部が厚くなり、肌表面が不均一な状態になることで、肌が硬くごわついたり、くすんで透明感が失われることにつながり、肌のトーンが暗く見える原因となります。
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毛穴が詰まりニキビができやすくなる
ターンオーバーが乱れると、剥がれ落ちずに残った古い角層細胞が毛穴に詰まりやすくなります。
毛穴が詰まると、皮脂を栄養源としているアクネ菌が増殖しニキビができる原因となってしまいます。
シミやそばかすの原因となる
皮膚には紫外線を浴びると、肌を守ろうとして基底層でメラニンを生成する仕組みが備わっています。ターンオーバーが正常であれば、メラニンは皮膚の表面へと押し出され、垢といっしょにはがれ落ち、排出されます。メラニンはこのとき角層細胞として剥がれ落ちるため、肌トラブルに発展することはありません。
しかし、ターンオーバーが乱れた肌では、生成されたメラニンが排出されず、肌の中に長く留まります。するとメラニンは、シミとして肌表面に残ってしまうのです。さらにメラニンが過剰生成されると、そばかすの原因にもなってしまいます。
乾燥による皮むけや粉ふきが見られる
ターンオーバーが遅くなると、古い角層細胞がはがれ落ちず肌表面に留まることに。こうして角層細胞が重なると、厚く硬くなり、肌表面が乾燥しやすい状態となってしまいます。
一方でターンオーバーが早まると、細胞が成熟しきらないまま肌表面に押し上げられます。未熟な細胞では十分に水分を保持できず、乾燥の原因になるのです。
ターンオーバーの乱れから肌の乾燥がさらに進むと、皮むけや粉ふき・ひび割れなどの肌トラブルに発展してしまうことがあります。
肌のターンオーバーが乱れる原因
トラブルのないすこやかな肌を目指すには、ターンオーバーの乱れとなる原因を排除する必要があります。そこでここからは、肌のターンオーバーが乱れる原因について解説していきます。
生活習慣の乱れ
ターンオーバーの乱れは、生活習慣と大きく関係しています。主に関係する項目について見ていきましょう。
睡眠不足
夜間の睡眠中は、成長ホルモンが分泌される時間。睡眠不足や不規則な睡眠は、成長ホルモンの分泌を妨げることになり、ターンオーバーが乱れる原因となります。
食生活の乱れ
肌は栄養を食べ物からも摂取しているもの。そのため、すこやかな肌を維持するための栄養素が不足すると、ターンオーバーに乱れが生じることがあります。
ストレス
ストレスが溜まると、自律神経に乱れが生じることも。自律神経の乱れは、ターンオーバーの乱れに関係するといわれています。
便秘
腸内環境が悪化すると、老廃物が溜まり、細胞の生まれ変わりが阻害されてしまいます。
そのほか飲酒や喫煙、運動不足などもターンオーバーが乱れる原因といえるでしょう。
乾燥や紫外線などの外部刺激
乾燥や紫外線などの外部刺激を受けると、肌はダメージを修復しようとターンオーバーを早めます。すると未成熟な細胞が押し出され、うるおいが不足し乾燥などの肌トラブルを引き起こしてしまうのです。
さらに、肌の乾燥状態が続いたり、紫外線を長時間浴びて日やけしたりすると、肌を守るために角層細胞が硬く厚くなることも。そうして古い角層細胞が肌表面に長く留まり、ターンオーバーが遅くなる原因となります。
肌のターンオーバーを整えるためにできること
肌のターンオーバーが乱れる原因はさまざま。生活習慣の見直しや毎日のスキンケアなど、視野を幅広く持つことが大切です。
具体的には、以下に気をつけるといいでしょう。
- 角層にうるおいを与える
- 生活習慣を整える
- 紫外線対策をしっかり行う
- 刺激や摩擦の少ないスキンケアを心がける
それぞれ詳しく解説します。
角層にうるおいを与える
肌の最表面にある角層は、乾燥や紫外線といった外部刺激の侵入を防ぐ重要な役割を果たしています。
しかし、角層が乾燥していると肌を守るためにターンオーバーが早まり、未熟な角層細胞がつくられることに。その結果、外部刺激を防ぐ役割を十分に果たせず、肌のうるおいが不足しやすくなり乾燥などの肌トラブルに繋がりやすくなります。
つまり、ターンオーバーを整えるためには角層にうるおいを与えることが大切です。化粧水などで水分を補給するだけでなく、乳液やクリームなど油分を含んだアイテムでうるおいを閉じ込めることも意識するといいでしょう。
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生活習慣を整える
生活習慣の乱れは、ターンオーバーの乱れに繋がることがあります。ターンオーバーを整えるためには、以下に気を付けた生活を心がけるといいでしょう。
- 十分な睡眠を取る
- バランスの取れた食事を心がける
- 飲酒や喫煙は控える
- ストレスを溜めない
- 適度に運動をする
そのほか、便秘もターンオーバーが乱れる原因に。こまめに水分を摂取する、食物繊維を含む食品を取り入れるなど、腸内環境を整えることも意識してみるといいでしょう。
紫外線対策をしっかり行う
紫外線は、肌にさまざまなダメージを及ぼすもの。ガラスなどを通して室内にも届くため、外出時だけでなく、家で過ごす時間にも紫外線対策が必要です。
メークをする日はUVカット効果のある下地を使う、ノーメークの日でも日やけ止めを必ず塗るなど、常に紫外線対策を意識するようにしましょう。
また、日やけ止めを塗っていても汗や洋服のこすれ、時間の経過とともに効果が薄れてしまいます。効果を持続させるためにはこまめに塗り直すことが大切。日やけ止めだけでなく、日傘や帽子を活用するといいでしょう。
紫外線は春夏だけでなく、1年中降り注いでいます。年間を通しての対策を心がけてください。
刺激や摩擦の少ないスキンケアを心がける
ターンオーバーを整えるためには、スキンケア時の肌への刺激を極力減らすことが大切です。洗浄力が強すぎる洗顔料の使用は避け、たっぷりの泡でやさしく洗うようにしてください。
1日に何度も洗顔したり、ゴシゴシとこするような過度な洗顔は、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまう原因のひとつ。熱いお湯でのすすぎも刺激となります。
洗顔料を使った洗顔は朝晩を基本とし、手が肌に触れないようたっぷりの泡を転がすようにやさしく洗い、ぬるま湯でしっかりと洗い流しましょう。タオルで拭くときもゴシゴシと擦らず、優しく押さえるよう意識してみてください。
また、化粧水などでスキンケアをする際も、刺激や摩擦に注意が必要です。量が少ないと摩擦につながるため、アイテムごとの適量を守って使用しましょう。
角層起点のエイジングケア※シリーズ「DECENCIA」
ディセンシアシリーズは、「角層を整える」という美容理論を軸に、大人ならではの敏感な肌の角層を整え、ゆらぎに負けないすこやかな肌に導く角層起点のエイジングケア※1シリーズです。
ディセンシアはメーク落としからクリームまで全10アイテム。
なかでも、代表アイテム「ディセンシア クリーム」は、美肌の要である整った角層にアプローチする独自成分「ヴァイタサイクルヴェール®」を搭載しています。肌表面にクリームを纏い、理想的※2な角層を擬似的に再現。使い続けることですこやかな角層を目指せる、敏感肌×エイジングケア※1のためのクリームです。
さらに、ディセンシアシリーズ共通で保湿成分「セラミドナノスフィア※3」を配合。角層のすみずみまで行き渡り、たっぷりのうるおいで満たすことで、肌の保水機能をサポートします。
※1 年齢に応じたケア
※2 うるおいに満ちた
※3 ヒト型セラミド(セラミドNG:保湿成分)をカプセル化したもの
よくある質問
ここからは、肌のターンオーバーについてのよくある質問にお答えします。
肌のターンオーバーは何日で行われますか?
肌のターンオーバーのサイクルは、約28日といわれています。
ただし、乾燥や紫外線などの外的要因、生活習慣の乱れやストレスなどの内的要因により、ターンオーバーのサイクルが乱れることも。
スキンケアを見直すだけでなく、生活習慣を整えるなどして肌を守り、ターンオーバーを整えることが大切です。
肌のターンオーバーは早いほうがいいの?
肌のターンオーバーは、早すぎても遅すぎてもいいものではありません。細胞が成熟した状態で育つためには、適正なスピードを保つことが大切です。
たとえば、過度な洗顔やピーリングは、肌のターンオーバーが無理に早められる原因に。細胞が成熟しきらないまま押し上げられ、肌のバリア機能が低下してしまいます。
肌のターンオーバーをサポートする食べ物は?
肌のターンオーバーをサポートする食べ物には、以下のようなものがあります。
役割 | 栄養素 | 代表的な食品 |
---|---|---|
角層の保湿力を高める | 栄養素a-リノレン酸 | 代表的な食品サンマ、シソ油 |
肌のうるおいを保つ | 栄養素ヒアルロン酸 | 代表的な食品手羽、軟骨 |
肌あれを防ぐ | 栄養素ビタミンA・ビタミンE | 代表的な食品にんじん、レバー、緑黄色野菜 |
肌のターンオーバーを整える | 栄養素亜鉛 | 代表的な食品貝類(牡蠣など)、小麦胚芽 |
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