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書家・アーティスト 紫舟さんの「ディセンシーな生き方」

LIFE STYLE

2019.07.12

美しき人生観 Decency Life
書家・アーティスト
紫舟さん


INTERVIEW 2019.7.12


毛筆の他、彫刻や絵画、デジタルの書まで。既成概念にとらわれず、言葉の力が溢れる作品を創造している紫舟さんのDecency(品位・品格、大切なことを大切に)な生き方に迫ります。

紫舟 SISYU

書家・大阪芸術大学教授
幼少より書や日本舞踊に励んだ後、奈良・京都で本物の和や伝統美など幅広く研鑽を積む。 フランス・ルーヴル美術館地下会場「フランス国民美術協会展」において金賞と審査員賞金賞をダブル受賞。イタリア・ミラノ国際万博 日本館での作品は金賞を受賞。平成29年に愛知県で開催された「紫舟展」は、上皇上皇后両陛下もご鑑賞された。文字が内包する感情や理を表現するその作品は、日本の文化や思想を世界へ発信、書の領域を超えた現代美術とも評される。

今の自分を手放すことは、新しい自分との出会いになる


習慣や環境を変えると新しい自分になれる

書は6歳のときに祖母にすすめられて始めました。いろいろな習い事の中で10年以上継続したのは書道だけでした。  会社員をしていた頃は、そこが自分のいる場所ではないと判っているのに、そこで人生が続くことに不安を抱いていました。だから、いったん立ち止まり、自分を見つめ直すことにしたのです。そのときこれまでの人生で、「いずれ書家になる」という感覚がどこかにあったのに、聞こえないふりをしていたと気づきました。書家に転身してからは、在るべき場所にいると感じています。
 安定した人生が続くことは幸せですが、新しい変化は、別の出会いや喜びを運んでくれるかもしれません。人は、無意識に同じことを繰り返しがちです。同じ時間に起きて、同じ時間に家を出て、同じ車両に乗って、一年後も同じ自分がいる。そして、家族の中での自分や、仕事をしているときの自分の行動が習慣となり続いていく。子どもの頃は進学などで環境が変わりますが、大人になるとあまり環境は変わらず、習慣が役割に応じた自分を作ってしまう。 私は表現者ということもあり、アートはまだ誰もしていない新しいものを生み出すことですので、今の習慣や環境をできるだけ手放し、新しい自分に出会って新たな作品を生み出していくようにしています。 子どもを見ていて飽きない理由のひとつは、日々成長しているから。大人にとっても、自分に飽きてしまわないための日々の変化は、新しい自分を導いてくれますね。


自分をよく観察してケアしてあげることが大事

書家に転身した後、自分をよく観察するようになりました。 きっかけは、ひどい風邪をひいたときに合気道の先生に言われたこと。ウイルスに感染すると鼻水が出たり、悪寒がして、だるくなったりと徐々に変化があるはずなのに、なぜ症状が悪化した今ようやく気づいたのか、もっと自分の内面をちゃんと観てあげないと、と。
以前、夜中に創作をしすぎて、突然書けなくなったことがありましたが、それも自分を丁寧に観察していなかったから。がんばろうという意識が強すぎて体力がついてきておらず、疲れが溜まりすぎていたことに気づけなかったのです。人によっては、体力があってがんばりすぎてしまい、心が疲弊する場合もあるかもしれません。 また同じように、自分の本心に目を閉じてしまい、疲れているのに疲れていないとか、みんなが好きなものを人に合わせて好きと言ってしまうこともありますよね。それが習慣になって私は過去本当の自分を見失ったことがあります。だから、「心」と「意識」と「体」のそれぞれをしっかり見ながら、本心にも耳を傾けてあげることが大切だと学びました。 今はこの3つをよく観察してバランスを心掛けることで、自分をケアしています。



新しいものを取り入れて未来を拓いていく

昭和の時代を振り返ると、「和」は、個よりも同調が求められる「和」で、それを私たちは「和を以て貴しとなす」だと学び、日本は成長してきました。 平成は、昭和を回顧し、顔は後ろ(過去)をみながら歩もうとしてきた時代で、変化を恐れる時代だったと思います。 令和の「和」は、「和して同ぜず」であってほしい。異なる意見や違いを受け入れ、少数派に耳を傾けながら。後ろを向いていた顔を未来に向けて前へ進めば、例え困難があったとしても、必ず好機を見出すことができると思いますし、出会った経験で未来を切り拓き、飛躍していけると信じています。 私は令和の時代、文化の力で、日本が世界から尊敬される国にしていきたいと思っています。

Works
紫舟さんの作品

自然体の気

「自然体でいるときに生み出される気は波紋のように拡がり、周りの人をも素敵に包む」。[書のキュビズム]は、書家と筆が生み出す流れ、呼吸、リズム、奥行き、そして時間軸までも可視化した作品。一筆で書かれた線は一本の彫刻に、筆先が軽くふれる箇所は手前に、力強く押し込めた箇所は奥に360°どこから観ても立体的な彫刻。



紫艶由縁江戸花

観る角度によって絵が変化し、完全に重なる角度は一点のみ。その平面性で世界を驚かせた伝統浮世絵を立体として再構築した作品。自然のものすべてに輪郭線は存在しないが、日本の最も古い伝統文化「書」の黒と筆の影響で、浮世絵では人の顔にも輪郭線が存在する。その浮世絵の輪郭線を強弱のある墨蹟で表現し、さらにそれを立体彫刻に。輪郭線を排除した色だけからなる絵と、墨蹟彫刻による一対の作品は、ある一点から観るとひとつに重なるが、それ以外の視点からは絵と輪郭線に「版ずれ」が生じている。



紫舟作品集

タイトルは、書家になって最初に書いた[創造人(造語)]。「書を通じ、時代を創造する人になりたい」という、想いが込められた1冊。直筆の書が封入された100冊限定の作品集で、表の絵は上皇上皇后両陛下が御覧になった「火の鳥」。 蔦屋書店とオンラインショップで販売中。



Another side
紫舟さんのアナザーサイド

(左)トルコの大学の日本語学科で書の授業をしました。一緒に受講していた小さな女の子が、色鉛筆をにぎりしめて私にプレゼントしてくれたことが思い出です。
(中央)「書の彫刻」を創作する時は、溶接したり、グラインダーで削ったりするので、マスクとめがねをかけた重装備!
(右)毎月1週間ほど、地方の静かな場所へ行き、書のみに専念する集中合宿をしています。携帯電話やパソコン、時計は完全にOFF。1つの作品に対して500種類は書きます。

トルコの大学の日本語学科で書の授業をしました。一緒に受講していた小さな女の子が、色鉛筆をにぎりしめて私にプレゼントしてくれたことが思い出です。

「書の彫刻」を創作する時は、溶接したり、グラインダーで削ったりするので、マスクとめがねをかけた重装備!

毎月1週間ほど、地方の静かな場所へ行き、書のみに専念する集中合宿をしています。携帯電話やパソコン、時計は完全にOFF。1つの作品に対して500種類は書きます。

Question&Answer
紫舟さんへの一問一答

Q:最近のブームは?
A:温めた豆乳に白ポン酢を入れて飲むこと。アトリエのスタッフとハマっています。

Q:心に残る言葉は?
A:合気道の先生からの言葉「自分の内側を観る」

Q:いま一番欲しいものは?
A:自動お掃除ロボット

Q:今後チャレンジしたいことは?
A:截金(きりかね:細い線状に切った素材を仏像や壺などに貼り付け、模様を描く伝統技法)

Q:自分を一言で言うとどんな人?
A:努力家

Q:ずっと続けていることは?
A:早朝に絵を3作品制作すること。

Q:いま一番行きたいところは?
A:・クリスチャニア(デンマークの首都コペンハーゲンの中央に位置し、“楽園”と呼ばれて注目を集めている観光地) 
・バーニングマン(アメリカ合衆国ネバダ州ブラックロック砂漠で開催される、参加者主導型のアートフェスティバル)
・GBC KIRIYAMA BASE(愛媛県の切山地区にあるカフェ。チョコレートや焼き菓子は、開店から数時間で売り切れてしまうことで有名)



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